夜勤、めまい、罪悪感。 それでも私が病棟を辞めた理由【看護師の本音】

転職

病棟看護師を辞めづらい環境

この記事は現役訪問看護師が 実際の体験をもとに書いています。

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病棟看護師を辞めると決めた日から、否定される毎日が始まりました。

「もったいないよ。」

「まだまだこれからなのに。」

「もう少し働けば、もっといい看護師さんになれると思うよ、一緒に頑張ろうよ。」

「おはるさんが必要だよ、成長をもっとみていたい。」

病棟看護師を辞めたいということを相談すると、先輩や上司に耳にタコができるほど言われました。

私には今の働き方が合わないのに。

もっといい職場だってきっとあるはずなのに。

私にはここが一番似合うのかな。

実は病棟が一番働きやすいのかな。

自分自身と向き合おうとすると、色々な感情が入り混じってしまいます。

周りに相談しても否定ばかりされてしまい、決断が揺らぐ時が何度もありました。

・看護師の人数が少なく、私が抜ければ病棟はもっと大変になる。

・夜勤ができる人数も減ってしまうし、1人あたりの夜勤回数が増えてしまう。

・私は夜勤が辛くて辞めたいと思っているのに、私が抜けた後、他の人の夜勤の回数を増やすことになってしまう。

否定されればされるほど迷ってしまう自分がいました。

それでも転職を決めた本当の理由

なぜ転職を決めたのか、本当の理由はこれです。

他人の身体をさまざまな側面から心配し、看護をする側なのに、

自分の身体すら大切にできない看護師に、私なら看護をしてほしくないからです。

もし自分が患者だったら、 体調が整っている看護師に 看護されたいと思いませんか?

しっかり1人1人と向き合ったほうが、看護される側も、する側も、気持ちがいいですよね。

めまいで起き上がれない朝

私自身、4年目の夏頃に、頻繁にめまいを起こすようになりました。

朝起きた瞬間から、めまいで起き上がれない日もありました。

ぐるぐると回る天井を見つめながら、自分が休むと日勤が大変になってしまう、なんてことを考えていたと思います。

ふらふらの状態で車を運転し、めまいで視界がふわふわしながら、薄く片目を開けて運転していました。

今思えば、自分の体より大切なものなんてありませんから、素直に休めばよかったですね。

そんな出来事が何回か続いてやっと、転職をする!と心にしっかり誓いました。

そしてやっと、転職先を探し始めました。

それでも諦めなかった理由

転職先を探しながら仕事をするのは、簡単ではありませんでした。

もちろん夜勤もありますし、日勤も続きます。

夜勤明けや休みを使って見学や面談、面接に行きました。

眠い目を擦りながら話を聞き、帰ったら爆睡です。

疲労は取れないまま、次の日も仕事に行く毎日を過ごしていました。

それでも転職を諦めなかったのは、もう自分を見捨てないと誓ったからです。

途中で辞めることもできました。

むしろ、転職活動をやめれば、身体を休める時間ができます。

でも、私は諦めませんでした。

そしてやっと、今の職場「ホスピス型有料老人ホーム」を見つけることができました。

なぜホスピス訪問看護を選んだのか。

病棟で出会ったALS患者さんの言葉

病棟では、難病の方をメインに看護をしていました。

年数を重ねるごとに、自分の中で「目指したい看護」が見えてくるようになりました。

「この人の望んだ最期を支えたい。」

病院で入院する方の看護は、「治療を助けるための看護」です。

誤嚥性肺炎を治療するための入院ならば、食事を気をつけなればいけません。

「筋萎縮性側索硬化症」を患っている方と接する機会がありました。

その方に言われたことがあります。

「治療なんかいいから食べさせてくれ。食べれるうちに、食べたいんだ。」

いいですよと言うことが私の立場では、できませんでした。

結局食事を摂ることなく、呼吸器を装着し、その数週間後、亡くなりました。

最期まで食べたい、といっていた事が、食べたいといいう言葉が頭から離れませんでした。

徐々に衰退していく身体を自分自身で実感し、生活しています。

体が動かなくなっていく恐怖、死が迫ってくる恐怖、自分がどうなるのかわからない未来への恐怖と日々戦っています。

辛い気持ちで毎日過ごしている方の最期の願いを、聞くことが出来なかった。

私は看護師を続けていていいのだろうか。

そう思いながら淡々と業務をこなし、過ごしていました。

自宅で最期を迎えたその人が教えてくれたこと

病院と自宅を行き来している患者さんがいました。

その方は徐々に状態も悪くなってきて、心停止を数回、繰り返しました。

入院すると、その患者さんはいつも、早く自宅に帰りたいと退院を楽しみにするような方でした。

もう危ない、次心停止してしまったら病院で亡くなってしまうかもしれない。

そんな時、

「自宅に帰そう」

そう病棟全体が言い始めました。

その方の利用する訪問看護ステーション、ケアマネ、往診医にすぐに連絡を取りました。

準備をすぐに整え自宅に帰ることができ、その日の晩、その方は自宅で亡くなりました。

大好きなYouTubeを見て、大好きなジュースを飲んで。

朝、息を引き取ったそうです。

私の目指す場所が見えた瞬間

私の中で、何かが見えた気がしました。

こんな状態でも願いを叶えることができるんだなと光が差したような気がしました。

その反面、同時に思うこともありました。

「病棟看護は送り出すまでで、その方の最期を支えたのは家族で、その家族を支えたのは訪問看護なのではないか。」

在宅スタッフが受け入れ体制をすぐに整えてくれたからその方は自宅に帰ることができた。

手を広げて、自宅で待っている在宅スタッフに囲まれていたから、その方は苦しむことなく最期を過ごせたのではないか。

私の目指すべき場所はそこにある、と明確に思いました。

いつでも帰ってきていい、すぐに支える準備はできますと、そんなことを言えるスタッフになりたい。

ホスピスケアを知ったきっかけ

そして、最期までその人らしい生活を支えることができたら、と考えるようになりました。

最期までその人らしく生きることを支える。

それはまさに、ホスピスケアの定義そのものでした。

私が大切にしたいと思っていた看護観と ホスピスケアの定義は、 完全に一致していました。

ホスピスで働くことが出来たら、もっと看護を好きになれるんじゃないか、そう思い始めました。

転職活動を進めながら、だんだんと自分自身も見えてきました。

そしてついに、私の価値観ともぴったり重なる場所を見つけました。

ホスピス有料老人ホームの訪問看護師という仕事です。

実際に転職してみて

変わったこと、良かったこと

では実際に働いてみてどうだったのかについてですが、

結論をを言うと、「転職して良かった。」です。

病院のように医師が在中していなかったり、往診クリニックごとに対応が違ったりと苦労する面もあります。

ですが、前の病棟でできなかった看護ができているという点については大きく変わりました。

その方のその人らしい生活を支えることが出来ています。

末期がんで入居中の方。既往歴に糖尿病がありました。

病院なら、当然、血糖コントロールのために甘いものは控えるように説明されるでしょう。

ですが、今の考え方は違います。食べたいと思えば、今まで制限をしていたものも食べることができる。

ずっと食べたかったカップラーメンを一緒に食べました。

100点満点の笑顔とはこの笑顔だと言えるほど満面の笑みで、美味しいと話してくれました。

本人の望むことはできる限りで行い、やりたくないことは行わない。

苦痛のない方法を常に考えて接することができる。

自分自身の思っている理想を、少しずつ叶えることが出来ているような気がします。

それでも後悔することもある

まだまだ自分自身が成長段階のため、その人の最期を、その人らしく支えることが出来なかったこともあります。

痛みのあるまま、亡くなってしまったかもしれない、

苦しい最期を過ごさせてしまったかもしれないと、後悔することもあります。

理想の場所にいるだけでは足りない

理想の場所にいるだけでは その人らしい最期は支えられません。 経験を積み、成長し続けることが 本当の意味での理想の看護に 近づく唯一の道だと気づきました。

私はもっともっと成長し、関わった方が最期を迎える時、その人らしく見送れるよう今後も努力し続けようと思います。

最後に

転職を考えている看護師さんへ

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

今この記事を読んでいるあなたは、もしかしたら今の職場に違和感を感じているのかもしれません。

辞めたいけど、迷惑をかけてしまう。
転職したいけど、自分に合う職場なんてあるのか。
そんな気持ちで毎日を過ごしていませんか?

かつての私も、全く同じでした。

一つだけ伝えさせてください。

自分を壊してまで続けなければいけない仕事はこの世界に存在しません。

転職は逃げではありません。
自分の看護観に正直に生きることは、あなたが関わる患者さんへの一番の誠実さだと私は思っています。

まずは情報収集だけでもしてみてください。

転職サイトに登録したからといって、すぐに転職しなければいけないわけではありません。

どんな職場があるのか、自分の市場価値はどのくらいなのか、それを知るだけでも今の職場への見方が変わることがあります。

転職活動は情報収集から始まります。 私が実際に使って良かったと思える サイトだけをご紹介します。

あなたの看護が、あなたらしく輝ける場所が必ずあります。

応援しています。

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