看護師直伝!在宅介護の必需品と市販でできる節約裏技

介護用品

在宅介護は、ある日突然始まることも少なくありません。

「何から揃えればいいの?」

「高い介護用品を全部買うのは大変…」

と不安に思う方も多いはずです。

今回は、現役の訪問看護師として見つけた、「市販品で代用できる裏技」「これだけは専用品を買うべきアイテム」を厳選してご紹介します。

体位変換グッズ

寝たきりの方の体の向きを変える「体位変換」は、床ずれ(褥瘡)予防に欠かせません。

しかし、専用のクッションは意外と高価で、すぐには手元にないこともあります。

介護用品が届くまでの「代用アイデア」2選

介護物品を頼んでから、すぐに届くこともありますが、届くまでにできそうなアイデアを2つ、お伝えします!

  • 柔らかいぬいぐるみ あまり用いられていませんが。膝の間や脇の下など、骨が当たって痛そうな場所に挟むのに最適です。適度な弾力があり、形も自由に変えられるため、実は現場でも重宝します。
  • 柔らかいバスタオル くるくると巻いて「筒状」にすることで、背中の支えや足の挙上(むくみ対策)に使えます。汚れてもすぐに洗濯できるのが最大のメリットです。硬すぎると床ずれの原因になってしまうので、注意。

看護師の知恵袋 「正式な用品が届くまでは、家にあるもので『点』ではなく『面』で支える工夫をしていました。タオルを輪ゴムで止めるだけで、立派なサポートクッションになりますよ。」


口腔ケアグッズ:誤嚥(ごえん)を防ぐ2つの必須アイテム

お口のケアは、単に綺麗にするだけでなく「肺炎予防」に直結します。

特に、飲み込む力が弱まった方には以下の2点が欠かせません。

誤嚥を防ぐためのアイテム2選

一般的な歯磨きは、「うがいができる」ことが条件になります。

ですが、年齢が上がると、水を口に含むことやブクブクとうがいをすることが難しくなります。

飲み込んでしまったり、それによって穴違いを起こし、「誤嚥」してしまうリスクがあります。

そんな方におすすめのアイテムをお教えします。

  • スポンジブラシ:歯ブラシでは粘膜を傷つけてしまう場合に。汚れを絡め取ります。乾燥しがちなお口の中ですが、スポンジブラシを使うことで潤いを与えることもできます。スポンジの水分量を調節できるのもメリットの一つです。
  • 拭き取りシート:うがいが難しい方の仕上げに。指に巻き付けてさっと拭くだけでスッキリします。お口の中に少しの水分を含むことも難しい方は、シートで拭くだけで誤嚥の予防にもなります。

「少しの唾液でも誤嚥する理由」を解説

なぜ、食べ物だけでなく「唾液」でもむせてしまうのでしょうか?

その原因は「飲み込みの反射(嚥下反射)の遅れ」と「お口の中の細菌」にあります。

加齢や病気により反射が遅れると、知らないうちに唾液が喉にある気管に入り込みます。

その際、お口が汚れていると細菌も一緒に肺へ運ばれ、それが「誤嚥性肺炎」を引き起こすのです。

だからこそ、「食べないから磨かなくていい」ではなく「食べない時こそ清潔に」が重要なのです。


とろみ剤の選び方:失敗しないためのポイント

唾液でもむせてしまうのに、どうやって水分を摂らせればいいか。

飲めなくなったらすぐに点滴になってしまうのか。

そんな不安を解消するアイテムが、「とろみ剤」です。

飲み込みを助ける「とろみ剤」は、ドラッグストアで手に入る身近な存在ですが、選び方にはコツがあります。

コツがいらない「第3世代」を選ぶ理由

昔のとろみ剤はダマになりやすかったのですが、最近の主流は「かき混ぜるだけでサッと溶ける」タイプです。

誰が作っても同じ濃度になることが、誤嚥防止には重要です。

私も新人の頃、とろみの付け方がうまくいかず、沢山怒られました💦

かき混ぜるだけでできるようなとろみ粉があればもっと楽だったと思いますし、指摘する側もストレスにならなかったかなと思います。

とろみの濃さにも違いがあります。それぞれの嚥下の状態に合わせて変化させることが重要です。

以下、とろみの濃さについて記載しましたので参照してください。

濃度の目安見分け方のイメージ
薄め(フレンチドレッシング状)スプーンを傾けるとスッと流れる
中間(とんかつソース状)スプーンを持ち上げると跡が少し残る
濃いめ(ケチャップ状)スプーンですくっても形が崩れない

エンシュア(高カロリー栄養剤)のとろみは?

食事を摂る量が少なくなり、栄養補給のために病院から処方される栄養補助食品があります。

「イノラス」や、「エンシュア」などの栄養剤は、脂質が多くとろみがつきにくい特性があります。

購入時はパッケージをチェックし、「栄養成分に影響されにくい」「エンシュア対応」と記載があるものを選びましょう。


移乗グッズ:現場で使える低コストの裏技

お風呂に入る時だったり、外にお散歩に行くことがあると思います。

その際に生じるのが、ベッドから車椅子への移動(移乗)やベッドの上で体を上にずらす動作です。

この動作は自分の力だけで行うとどうしても腰痛の原因になりやすいです

病院ではストレッチャーに移すときにスライディングボードを使ったりしますが、家にはありませんよね。

ですが、家でも代用できるものはあります。

実際にご家族にもご紹介したことのある方法を、ご紹介します!

100均グッズでできる!楽々スライド術

  • ゴミ袋×バスタオルの裏技 45Lのゴミ袋を2枚重ね、その上にバスタオルを敷いて、その上に利用者様に寝ていただきます。滑りが良くなるため、軽い力でスッと体を移動させることができます。
  • ゴミ袋のみの裏技 バスタオルがなくても、上への移動だけなら、ゴミ袋の口を両方開けます。(閉じている方をハサミで切ります)ご家族の背中に沿うように横向きに袋を置き、その筒状のゴミ袋の中に手を入れ、上に引っ張るという方法です。
  • タオルのレバー使い お尻の下にバスタオルを深く敷き込み、介助者がタオルの端を掴んで手前に引くことで、摩擦を減らして移動をサポートできます。

現場の声 「これだけで介護がぐっと楽になった」という声を多くいただきます。力任せに持ち上げず、「滑らせる」意識を持つのがコツです。


在宅介護グッズ選びの「3つの基準」

長く続く介護生活、アイテムを選ぶ時は、以下の3点を意識してみてください。

  1. コスパ(費用対効果) 消耗品は安く買いましょう。長く使うクッションなどは、後でレンタルに切り替えることも検討できます。汚れた時の代用品、何かが来るまでの代用品と考えれば、無理にお金をかける必要はありません。
  2. 使いやすさ 「夜中の暗い部屋でも迷わず使えるか」「片手で開けられるか」など、使い勝手が心の余裕を生みます。使っているところを想像できるものを選ぶと、買った後の後悔がなくなります。
  3. 持続性 「準備が面倒なもの」は結局使わなくなります。出しっぱなしにできる、あるいはすぐに手に取れる市販品を活用しましょう。

まとめ

在宅介護は、完璧を目指すと疲れてしまいます。

まずは身近な市販品や代用品を使って、「介助する側が楽になる方法」を見つけてください。

もし「これで大丈夫かな?」と不安になったら、遠慮なく担当の訪問看護師に相談してくださいね。

介護は「頑張るもの」ではなく、便利なアイテムを使って「生活を支えるもの」です。

あなたも家族も気持ちよく、毎日を送れますように。

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